お終いのご挨拶
私も過去のことほど記憶があいまいで、また70~80年代の同人誌即売会のことは経験ではなく歴史としてしか知りません。女性のサークルが「男性お断り」の張り紙を掲げることについて、歴史的な経緯、状況、また当事者としての経験など、ご存知でしたら教えていただけると助かります。
— 金田淳子*オトコのカラダはキモチいい増補文庫発売中! (@kaneda_junko) 2019年1月2日
上記の金田淳子先生の質問にお答えする形でのリプをきっかけに、先のブログでは随分昔の事を語ってしまいました。
端的なリプだったのですが、金田淳子先生が神対応下さいまして、積年の恨み辛みが少し楽になったおかげでブログを書くことが出来ました。それでもタイトルに「男性お断りの札を上げた」と入れられなかったのは、まだわだかまりがあるのかも知れません。反省はしないけれど、考えることは続けときます。
付け込まれる隙のあった、私のツイートへのフォローと解説を金田淳子先生ありがとうございました。
皆んなあれ以上の返答は無いから、覚えていた方が良いよ。大切な人から悩みを打ち明けられた時、あのような対応してあげて下さい。
今回沢山リツイートされておりますが、皆さんが二次加害を起こさない様、大変気を遣って頂いている事、ひしひしと感じています。エアリプもいくつか読ませて頂きました。皆んな優しいね。ありがとうございます。
わざわざブログ開設して長文書いておいてなんですが、正直あんまりリツイートされたくないなぁと思っていました。だって大抵地獄の様なコメントがつくじゃないですか。こーゆー話って。過去の発言とかリツイートとかも掘り返されるし。男性お断りの札を立てた者も処罰されるべきだって、言ってる人見たし。
愛犬の歯肉炎以上に私が心を痛めるべき事柄なんて、もう無いんですよ。
ブロックする手間がもうめんどくさいんです。
それでも、めんどくさいを乗り越えても伝えたい事があったので、お伝えしたかった方に届いたのであれば、良かったかなぁと思います。話したくも無いし、読みたくも無い話でしたでしょうが、過去にはこんなこともありました。
私はまったく何も悪くない。と、今は思っています。ただそう思えるようになるまでは、長い長い時間がかかりました。本当につい最近の事です。私に嫌がらせした奴らはとっくに忘れているのにね。
ブログに出てきたお隣さんやお客様達とは今は友人で、おすすめの画像を送り付けあう仲です。あと皆んなpixiv等で細ーく活動を続けてます。しぶといよ。
ブログを読んだ友人から、あの時の貴女は濡れ雑巾の様だったと評されました。せめて布巾にしてもらいたい。
我が事の様に憤ってくれた方々、ありがとうございます。正月早々体力を使わせてごめんなさい。嬉しかったです。
この人拡散されたく無いんだろうなぁと思って下さった方々、お気遣いありがとうございます。そこまで文章から読み取って頂き光栄です。
カネコ服で嫌がらせが何故無くなったのかがわからなかった方々、優しい人達に囲まれてそのまま幸せに生きてて下さい。
愛犬を褒めてくださった方々には特別の感謝を!皆さんの伴侶動物がこの1年、楽しく元気に暮らせる事を全力で祈ります。飼い主の人達は伴侶動物を幸せにするため、己の健康に気を使って生きて下さい。私も気をつける。
皆さんが思っているとおり、今後ブログを更新することはありません。Twitterで深刻な何かを語る事もありません。日々楽しく暮らして、ちょっと良いことがあったら呟きます。そして理不尽にはたまに怒ります。
メッセージ、コメント、個別への対応はしないと当初から決めておりました。
思いやりと労わりに溢れたお言葉に心があらわれました。どうやったらその様に生きられるのか是非お聞きしたかったので残念ですが、返答はいたしません。誠にありがとうございました。
心と時間を割いてくれた皆さん、優しくしてくれて、ありがとうごさいました。
追記
良い話で終わらせたかったのですが、前ブログのはてなブコメが200を超え、地獄みが増してきました。
やおいを描く女性に対する加虐が可視化されていますので、気力があり興味がある方は確認の上、ご一笑下さい。
カネコ服を着たら嫌がらせが無くなった話
80年代後半、アニパロ、やおい系サークル主でした。東京のイベントを中心に月1程度参加していましたが、イベントに参加するたび2〜3度の頻度で男性から嫌がらせを受けていました。
以下ほぼ半年内に起きた出来事を、思い起こしながら書いていこうと思います。
嫌がらせの始まりはスペースを不躾に見られたり、離れた所からの野次でした。見物と称して徒党を組んだ男性が島内を練り歩き、談笑していた女性達を追い払いました。
嫌がらせがエスカレートして来たことを感じて私は奥付から住所を消し、私書箱を借りて住所の代わりに掲載しました。
嫌がらせをする男性は1人であったり、グループであったりしました。
1人の場合は立ち読み後に本を机に投げ捨てられ、暴言。気持ち悪い。こんなの描くなんて頭がおかしい。下手だ、辞めてしまえ。
本を地面に叩きつけられた事もありました。落ちた本を他のお客様に配布する事なんて出来なくて、会場のゴミ箱に捨てた事もあります。
グループの場合、まず3~4人で男性がやって来た時点でお客様がそっと居なくなるのですが、サークルの者が逃げ出す事も出来ず、彼等にスペースの前を占領されるとひたすら下を向いて早く居なくなるのを祈るのみでした。
嗤いながらされる漫画のセリフの読み上げ。答えを必要としない、一方的な質問という形の嘲り。お前の親は娘がこんなものを描いているのを知っているのか?恥ずかしくないのか?親に送るぞと、恫喝もされました。足元に置いてある在庫のダンボールを勝手に触られ、住所を探られた事もあります。男性に囲まれ怒鳴られ嗤われるのがただただ恐ろしく、言い返す事など考えられませんでした。
他のサークルさんにも被害が出ていたのでスタッフさんが巡回して下さっておりましたが、嫌がらせが1人の場合は突発的でしたし、複数の場合は見張り役が居ました。腕章を付けたスタッフさんの姿が見えた途端、スペースから逃げられてしまいました。個々に別れて人混みに紛れられたら、探す事など出来ません。
見るに見兼ねたお隣のサークルさんがスペースを侵害している、迷惑行為をするなと庇って下さった事もありましたが、標的が彼女に移っただけでした。
震えてパイプ椅子に躓き転びながら、スタッフさんを呼びに走って下さったお隣さんもいます。彼等は走る彼女の背に野次を飛ばし、頑張って走ってよと、煽りさえしました。
私の留守中私の代わりに売り子さんが怒鳴られた事もあります。私が戻った後、買い物に行ってくるとだけ告げて彼女が席を立ち、お隣さんが出来事をそっと教えてくれました。彼女は私に心配をかけまいと、一人でスタッフ待機所に報告に行ってくれていました。
彼等が居るのに私を心配して、あえてスペースの前に残って下さった常連のお客様が居ました。俯く私にずっと話しかけてくれた彼女のバッグを彼等は覗き、買った本のチェックをしようとさえしました。
彼等が去った後、助けられなくてごめんなさい、あなたの漫画が好きだ、どうか辞めないでくれと、号泣しながら何度も頭を下げたお客様がいました。
皆さんに庇って頂く度、本当に申し訳なくて、居た堪れませんでした。
彼女達にも危害が加えられるかもと思うと恐ろしかったです。私は未熟で自分が我慢すれば良いと思い込んでいました。
嫌がらせへのせめてもの抑止になればと、男性の方はご遠慮ください、という札を立てることを塾考の末決めました。恐怖心からでした。辞めろと何度も彼等から言われましたが、彼等の言葉に従うなんて絶対に嫌でした。同人活動が大好きでした。
お客様の殆どは女性の方でした。数人男性のお客様もいらしていましたが顔は覚えていたので、そのお客様が来られた時は札を下げられる様、スタンド式にしました。
びくびくしながら札を上げてイベントに参加しました。此方に関わらないでいてもらいたかっただけなのに、札を見た男性から排除するのか、自由の侵害だと詰問され、心が折れました。彼等には嫌がらせする自由があるのに、私には配本先を決める自由は無いのか。
先に申し込んであったイベントを最後に同人活動を辞める事を決め、思い出作りに憧れのハイファッションであったカネコ服でイベントに参加する事にしました。ワンピースにペチコート、オーバーブラウスにコサージュ。唇には真っ赤なリップ。ストレートロングだった髪はソバージュに。
嫌がらせはぴたりと止まりました。あんなに悩んだ事が服装を変えたことだけで解決しました。叩き折りたかったのは私が描いた漫画ではなかったのか。
カネコ服で数度イベントに参加し、嫌がらせは無いと確認の末札は下げました。
その後ジャンルを変えながらも10年程同人活動を続けましたが、カネコ服は5年程着続けました。カネコ服を辞めた後も嫌がらせはありませんでした。
着たい服をきたい様に着たら、嫌がらせがなくなった。
東京に自宅がある会社員で、服等にお金をかける事が出来た。
これらはただの幸運で、嫌がらせに耐えきれず辞めてしまったサークルさんもいらっしゃいます。
沢山の方に励まして頂き、慰めて頂いた当時を思い起こすと、今も大変ありがたく思います。その節は誠にありがとうごさいました。貴女達のお陰で同人活動を辞めずに済んだ。
以上私の体験談でした。
追記
カネコ服というのは金子功さんがデザインされたお洋服の名称で、ブランドでいうとある時期までのPINK HOUSE、KANEKO ISAOなどなどです。ファンのこだわりなので分かり辛くても変えません。
イベントでのカネコ服を辞めたのは、私自身で嫌がらせを叩き返せると自信がついたからです。お洋服は今でも大切にしています。
金子先生には青山店でお会いした時、号泣しながら御礼を申し上げました。何言ってるのか分からなかっただろうし、得体が知れない客に迫られ怖かっただろうに、優しくして頂けました。涙これで拭いててねって、商品のハンカチ頂いた!紳士!因みに顔はお店の店員さんが直してくれました。ありがとう!
追記の追記
お気遣い誠にありがとうごさいました。
良い話で終わらせたかったのですが、ブコメが200を超え、コメントに地獄みが増してきました。
やおいを描く女性に対する加虐が可視化されていますので、気力があり興味がある方は確認の上、ご一笑下さい。